クレーンオペレーターは現場に着いて何を見る?現役オペの頭の中を紹介

クレーンの仕事

クレーンオペレーターの仕事というと、クレーンをセットして荷物を吊るところを想像する人が多いと思います。

でも実際には、現場に到着してクレーンから降りた時点で、僕の中ではもう仕事が始まっています。

初めて行く現場なら、

「地盤は大丈夫かな?」

「クレーンをどこにつけよう?」

「荷物はどこに置く?」

「電線はないか?」

など、いろいろなことを考えながら現場を見ています。

今回は、僕がクレーンで現場に到着したとき、実際にどんなところを見て、何を考えているのかを書いてみます。

まず見るのはクレーンをセットする場所

現場に到着して最初に確認することの一つが、クレーンをどこにセットするかです。

単純に「空いているからここ」というわけではありません。

まず地盤が軟弱ではないか。

クレーンをどういう向きでセットするのか。

そこから実際に作業する場所まで届くのか。

荷物をどこに置くのか。

一度仮置きする必要があるなら、どこに仮置きするのか。

こうしたことを考えながら、現場全体を見ていきます。

そして、もう一つ必ず気になるのが電線など周囲の障害物です。

クレーンは上空までブームを伸ばして作業するため、地面だけではなく上も見ています。

不安が残る場所なら、何度でも移動する

現場から、

「ここにクレーンをつけてください」

と言われることもあります。

もちろん問題がなければ、その場所にセットします。

でも、自分で確認して不安があるなら、そのまま言われた場所にセットすることはしません。

なぜその場所では不安なのかを説明して、お互いが納得できるまで相談します。

一度クレーンをセットしかけてから移動するのは、正直面倒です。

何度も切り返したり、もう一度セットし直したりすることもあります。

それでも、

「まあ大丈夫だろう」

という状態で作業を始めるより、僕は一番良いと思える場所まで移動します。

そこでの判断をすべて相手に委ねて、もし事故が起きれば大きな事故につながる可能性があります。

だから多少面倒でも、不安要素を残したまま作業を始めないことを大切にしています。

実は「人」も見ている

現場に着いて見ているのは、地盤や荷物だけではありません。

僕は現場にいる職人さんたちの雰囲気も見ています。

まず挨拶をして、

「どこから入ればいいですか?」

「クレーンはどこにつけますか?」

などと話します。

その会話をしながら、

「この人はせっちなタイプかな」

「この人はおっとりしているな」

と、なんとなく相手の雰囲気を見ています。

もちろん、人を良い悪いで判断しているわけではありません。

クレーン作業では、オペレーターと手元の職人さんとの呼吸がかなり大切だからです。

相手によってクレーンの動かし方も考える

せっかちな人もいれば、ゆっくり確実に進めたい人もいます。

合図の出し方にも人それぞれ癖があります。

初めて一緒に仕事をする人なら、

「この人が手元なら、どういうふうに動かせばお互いやりやすいかな」

ということを考えます。

長く一緒に仕事をしている職人さんなら、お互いのタイミングが分かっているので仕事もしやすくなります。

でも初めての人の場合は、最初の何回かのやり取りで相手のテンポを見ながら、少しずつ呼吸を合わせていきます。

クレーンオペレーターというと機械を操作する仕事に見えますが、実際には人と合わせる仕事でもあると思っています。

現場に着いたら「聞いていた話と違う」こともある

現場仕事をしていると、事前に聞いていた内容と実際の現場が違うこともあります。

以前、25tクレーンで行ったのに、実際のセット場所を見ると13tクラスしか入れないような場所だったことがありました。

「ここに25tをつけるの?」

という感じです。

ほかにも、

「吊る物は1tくらいです」

と聞いて現場へ行ったら、実際には3tだったこともあります。

クレーンの仕事では、

「ちょっと聞いていた話と違うけど、まあいいか」

で済ませられないことがあります。

1tと聞いていたのに3tだったらどうする?

だからといって、すぐに

「聞いていた話と違うからできません」

で終わるわけでもありません。

例えば1tと聞いていた荷物が実際には3tだった場合、まず考えるのは、

「クレーンのセット位置を変えれば対応できないか?」

ということです。

セットする場所を変更して、その条件で安全に対応できるのであれば作業します。

それでも対応できないのであれば、現場や会社と相談します。

必要であれば、その作業条件に対応できるクレーンへ入れ替えることもあります。

せっかく現場まで来たからといって、無理にそのクレーンで作業することはしません。

クレーンの能力は、単純に「25tクレーンだから何tまで吊れる」というものではありません。

作業半径やブームの状態など、さまざまな条件によって変わります。

そのため、最終的には使用するクレーンの性能や現場条件を確認して判断します。

まとめ|現場に着いた瞬間から仕事は始まっている

クレーンオペレーターは、ただクレーンを操作して荷物を吊るだけの仕事ではありません。

現場に到着したら、

  • 地盤に問題はないか
  • クレーンをどこにセットするか
  • 荷物や仮置き場所をどうするか
  • 電線などの障害物はないか
  • 事前に聞いていた条件と違いはないか
  • 一緒に作業する職人さんと、どう呼吸を合わせるか

など、いろいろなことを考えています。

事前に聞いていた内容と実際の現場が違うこともあります。

そんなときも無理に作業するのではなく、セット位置を変えたり、必要であればクレーンの入れ替えを相談したりして、不安要素を残さないことが大切だと思っています。

僕にとってクレーンオペレーターの仕事は、レバーを握った瞬間から始まるものではありません。

現場に到着して、周りを見て、人と話した瞬間から仕事は始まっています。

クレーンの仕事を知らない人にも、普段は見えないオペレーターの頭の中が少しでも伝われば嬉しいです。

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