クレーンの孫・ひ孫・玄孫って何?ジブとの違いを現役オペが実体験で解説

クレーンの仕事

クレーンの孫・ひ孫・玄孫って何?ジブとの違いを現役オペが実体験で解説

クレーンの現場では、

「孫出す?」
「ひ孫までいく?」
「玄孫まで必要かな?」

なんて会話が出ることがあります。

クレーンに詳しくない人からすると、

「孫?ひ孫?玄孫?」

ってなりますよね。

自分の周りでは、クレーンの先端に出すジブを「孫」、そのさらに先に出すものを「ひ孫」、大型クレーンではさらにその先を「玄孫」と呼ぶことがあります。

今回は、自分が実際に現場や現調で使ってきた経験をもとに、

  • 孫・ひ孫・玄孫とは何か
  • どんな時に使うのか
  • 使うと何が変わるのか
  • 現場では何を見て判断しているのか

をなるべく分かりやすく紹介します。

作業半径について詳しく知りたい方は、こちらの記事で初心者向けに解説しています。

※この記事は、自分が実際に経験した現場や現調をもとに書いています。呼び方や仕様は機種・メーカー・会社によって異なる場合があります。実際の作業では、機械の仕様・取扱説明書・性能表・作業計画・現場ルールなどを必ず確認してください。

クレーンの「孫」とは?

自分の周りでは、メインブームの先に出すジブのことを「孫」と呼んでいます。

メインブームだけでは、

  • 高さが足りない
  • 距離が足りない
  • フックを目的の位置まで持っていけない

という時に使うことがあります。

簡単に言えば、

「メインブームだけでは届かないところまで、さらにフックを持っていくためのもの」

というイメージです。

「ひ孫」は孫のさらに先

自分の周りでは、ジブのさらに先に出すものを「ひ孫」と呼んでいます。

これも目的は同じで、

高さや距離をさらに稼ぎたい時

に使います。

自分も実際に、

  • 高さがあって距離もある現場
  • 高さはそこまででもないけど、かなり遠くまでフックを持っていきたい現場

でひ孫を使ったことがあります。

大型クレーンでは「玄孫」もある

大型クレーンでは、そのさらに先に「玄孫」と呼ぶものがある場合もあります。

自分は80tクラスの担当ではなかったので、玄孫を実際に操作した経験はありません。

ただ、現調では80tクラスで玄孫まで使う計画を立てたことが何度もあります。

印象に残っているのは、

高さが35m以上あり、さらに作業半径もかなり大きい現場

です。

その現場では、メインブームだけでは届かないため、玄孫まで使う計画にしました。

80tクラスでは約63mになることもある

自分が現調で見ていた80tクラスでは、

メインブームが約45m、玄孫が約18m

という仕様でした。

単純に長さだけで見ると、合わせて約63mになります。

もちろん、

「63mあるから必ずその位置まで安全に吊れる」

という意味ではありません。

ブームの角度や作業半径、吊り荷重量などによって条件は変わります。

ただ、高さや距離が必要な現場では、こうした装備を使うことでフックをさらに遠くまで持っていけるようになります。

高さだけでなく「距離」がある時にも使う

孫やひ孫というと、

「高い建物に使うもの」

というイメージを持つかもしれません。

でも、自分の経験では高さだけが理由ではありません。

高さはそこまでなくても、

「作業半径が大きくて、メインブームではフックが届かない」

という現場でも使ったことがあります。

なので、

高さを稼ぐためだけではなく、距離を稼ぐためにも使う

というイメージの方が近いです。

実際に作業半径をどこから測るのかは、こちらの記事で現調のやり方と一緒に紹介しています。

距離を伸ばすと吊れる重量は下がる

孫・ひ孫・玄孫を使えば、フックを遠く・高くまで持っていけます。

ただし、その分吊れる重量は下がっていきます。

ここはかなり重要です。

特にひ孫や玄孫まで使うような条件では、

重量物を吊るというより、比較的軽い荷物を遠く・高くへ持っていく

という使い方になることが多いです。

現調でも、

  • 高さ
  • 作業半径
  • 吊り荷重量

は必ずセットで確認します。

重量があると、そもそもその条件では吊れないこともあります。

実際に「ひ孫」を使った現場

以前、16tクラスのクレーンで作業した時、

事前には余裕で届くと思っていた現場がありました。

ところが実際には、配管が障害物になって材料を予定していた位置に下ろせず、吊り位置を変える必要がありました。

その結果、

作業半径が約5m伸びました。

そこで、その現場ではひ孫を出して対応しました。

この時も、

「高さが足りない」というより、「距離が足りない」

という理由でした。

こういう経験をすると、

「届くと思っていても、障害物ひとつで条件はかなり変わる」

と感じます。

孫・ひ孫を出すこと自体は特別難しくない

自分の感覚では、孫・ひ孫を出す作業自体は、通常のジブ出しと大きく変わらないので、

「ものすごく難しい作業」

という感じではありません。

ただし、

手順を間違えないこと

はとても大事です。

機種ごとに構造や手順は違うので、現場では決められた手順どおりに行います。

この記事では、細かい出し方や操作手順までは書きません。

距離が出るほど「深視力」が重要になる

孫・ひ孫・玄孫まで使うと、フックまでの距離がかなり遠くなります。

そうなると、自分がかなり重要だと感じるのが深視力です。

遠くにあるフックと吊り荷の位置関係を目で見て判断するので、

距離感を正確につかむ感覚

が必要になります。

自分も慣れていない頃は、

「ここだと思ったのに、思ったよりズレている」

ということがありました。

その話を周りのオペレーターにしたら、

「センスだよ〜(笑)」

と言われたことがあります。

実際には経験で慣れていく部分もかなりあると思います。

ブームのたわみも感じる

距離が大きくなると、ブームのたわみも感じます。

メインブームだけで近い場所を吊っている時と、

孫・ひ孫まで出して遠い場所にフックを持っていく時では、

見え方も感覚もかなり変わります。

特に遠距離になるほど、

「自分が思っている位置」と「実際のフック位置」

にズレが出やすくなるので、慎重に見ながら操作します。

孫・ひ孫・玄孫は「届かせるための装備」

自分の中では、孫・ひ孫・玄孫は、

「より重い物を吊るための装備」ではなく、「届かない場所へフックを持っていくための装備」

というイメージです。

もちろん、使える条件はクレーンごとに違います。

だから現調では、

  • どこまで高さが必要か
  • 作業半径はどのくらいか
  • 吊り荷は何kg・何tか
  • どの装備まで必要か

を性能表を見ながら確認します。

まとめ

今回は、クレーン現場で使う

「孫・ひ孫・玄孫」

について、自分の経験をもとに紹介しました。

自分の周りでは、

  • 孫=ジブ
  • ひ孫=ジブのさらに先
  • 玄孫=大型クレーンでさらに先に出すもの

という呼び方をしています。

使う目的は、

メインブームだけでは高さや距離が足りず、フックを目的の位置まで持っていけない時

です。

ただし、距離を伸ばすほど吊れる重量は下がります。

実際の現場では、

「どこまで届くか」だけでなく、「その距離で何kg吊れるか」

までセットで考える必要があります。

自分も、ひ孫や玄孫まで使う現調では、

高さ・距離・重量をかなり慎重に見ています。

そして実際に操作する時は、

距離が遠くなるほど深視力や、ブームのたわみを意識する場面も増えます。

こういう現場用語を知ると、クレーンを見る時も少し面白くなると思います。

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